咳のお話

 

咳や痰はなぜ出るのでしょうか。

 人が吸い込んでいる空気の中にはびっくりする程のほこりがあります。気管から分泌された痰にそれらはくるみ込まれて外へ出されます。このゴミをくるんで出てくる痰は、無意識のうちに気管から食道を通て胃の中へ入っていきます。呼吸器に炎症が起こると痰の分泌が増加し、痰を意識したり、痰を出すために咳が出たりするのです。咳や痰はこんなに大切なものなのです。

咳が出た時はどうすればよいのでしょうか。

(1)咳をさせましょう。

咳は病原体をくるみ込んだ痰を出す為のとても大切な反射なのです。咳や痰を止 めないと肺炎になると心配する必要はありません。咳や痰が出ないと肺炎になっ たり、また肺炎が悪くなったりするのです。咳はどんどんさせましょう。子供は よく咳込んでで吐きますが、咳で吐いても病気が悪くなることはありません。む しろ痰を一緒に吐いて、すっきりすることもよくあります。

(2)乾燥した空気は痰の出を悪くします。

部屋の空気の湿度を十分に保ってあげましょう。

(3)水分を十分に与えましょう。

咳がひどくなると水分をとりずらくなります。水分が不足すると痰が固くなり、 外に出にくくなります。十分に水分をとらせましょう。

(4)咳止めは咳を軽くするだけで病気の予防や進行をとめる力はありません。

咳止めの薬は、咳でとてもつらい間だけ飲んで、軽くなったらやめましょう。咳 がつらい時は、咳を止めるのではなく、痰を出しやすくして咳を楽にすることが 大切です。痰の絡んだ咳は、痰の出にくい乾いた咳より苦しくないのです。痰を 出しやすくするためには、胸を痛くない程度に叩くこと、熱い飲み物をゆっくり と湯気を吸いながら飲むこと、飴をゆっくりとしゃぶること等が有効です。

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