四種混合ワクチン(DPT-IPV)


ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオとはどのような病気なのでしょうか。

 三種混合ワクチンとは、ジフテリア (Diphteria)、百日咳 (Pertusis)、破傷風 (Tetanus)、ポリオ(Polio)の四種類を混合した不活化ワクチンです。ジフテリアは、気道を閉塞させ呼吸困難になったり、腎臓障害、心臓障害、神経障害を起こす病気です。ワクチンの普及により現在の日本ではほとんど発生がなくなりましたが、未だ東南アジア、アフリカ諸国では発生している病気です。百日咳は強い咳が特徴の病気です。特に低年齢の乳幼児が罹患しますと、咳の為呼吸ができなくなったり、肺炎を併発したりします。4才以降になるとかかりにくくなり、またかかってもそれ程重篤になることはありません。また4才以降になりますと、百日咳ワクチンによる、副反応が多くなる傾向があることから、生後48ヶ月を越えた場合は、三種混合 (DPT)ではなく、百日咳を除いた二種混合 (DT)を投与することになります。破傷風は泥に常在する破傷風菌が傷口から侵入し、神経が障害される病気です。泥遊び、砂遊びをする前に終わらせておくようにしましょう。ポリオとは急性灰白髄炎、または脊髄性小児麻痺とも呼ばれる疾患です。脊髄の灰白質にポリオウィルスが感染して左右非対称性の弛緩性麻痺を呈する病気です。

四種混合ワクチンの接種時期はいつでしょうか。

 生後3ヶ月から12ヶ月の間にⅠ期を、3~8週間隔で3回行います。初回接種後12ヶ月から18ヶ月後に追加接種を1回行います。生ワクチンは1~2回の接種で良いのですが、不活化ワクチンは免疫ができにくいので複数回の接種が必要となります。

予防接種が受けられないのはどのような場合でしょうか。

 明らかな発熱(37.5℃以上)、または急性疾患にかっかている人、予防接種の接種液の成分(卵白、ゼラチン等)に対してアレルギー症状を起こしたことがある人、妊娠している人、免疫不全症と診断されている人です。これらの人は病気が治ってから、またはアレルギー等の検査を行ってから接種することになります。また心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、神経系疾患のある人の接種は要注意とされています。しかしこのような慢性の基礎疾患のある人がジフテリア、百日咳、破傷風にかかると状態が悪くなるこから、このような患者さんこそ予防接種が必要ともいえます。患者さんの状態をよく知っているかかりつけの病院または医師に相談し、健康状態の良い時に接種するようにしましょう。

どのような副反応があるのでしょうか。

 不活化ワクチンの副反応は接種後24時間以内に出現します。発熱、不機嫌等があります。接種部位の痛み、腫脹、硬結は高い頻度でみられます。自然に消えますので心配ありません。これらの症状が異常に強い場合や他の異常な徴候があった時は医師の診察を受けて下さい。接種当日の入浴は差し支えありません。接種部位は清潔に保つように注意して下さい。必要以上に注射部位をこすることはやめましょう。予防接種一覧表へ戻る