日本脳炎の予防接種

日本脳炎とはどのような病気なのでしょうか。

 日本脳炎ウィルスが脳脊髄という、最も重要な臓器に感染し、重篤な神経障害を起こします。急性期は痙攣や意識障害を起こす死亡率の高い病気です。たとえ治っても麻痺や知能障害の後遺症を残します。日本脳炎は夏、コガタアカイエカによって媒介される恐い病気ですが、幸いなことに現在の日本ではほとんど発生がありません。予防接種の徹底、環境整備の充実のおかげと言えます。

日本脳炎予防接種の接種時期はいつでしょうか。

 Ⅰ期の初回接種は3才の子どもが対象となります。1〜4週間の間隔をおいて2回接種します。初回接種後おおむね1年後に1回追加接種を行い、小学4年と中学3年の時それぞれⅡ期とⅢ期を1回ずつ行います。不活化ワクチンは免疫ができにくいので複数回の接種が必要となります。

予防接種が受けられないのはどのような場合でしょうか

 明らかな発熱(37.5℃以上)、または急性疾患にかっかている人、予防接種の接種液の成分(卵白、ゼラチン等)に対してアレルギー症状を起こしたことがある人、妊娠している人、免疫不全症と診断されている人です。これらの人は病気が治ってから、またはアレルギー等の検査を行ってから接種することになります。また心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、神経系疾患のある人の接種は要注意とされています。しかしこのような慢性の基礎疾患のある人が日本脳炎にかかると状態が悪くなるこから、このような患者さんこそ予防接種が必要ともいえます。患者さんの状態をよく知っているかかりつけの病院または医師に相談し、健康状態の良い時に接種するようにしましょう。

どのような副反応があるのでしょうか。

 不活化ワクチンの副反応は接種後24時間以内に出現します。発熱、不機嫌等がありますが、最近の精製されたワクチンではほとんど副反応はないと考えられています。接種部位の痛み、腫脹、硬結はみられますが、数日で消えますので心配ありません。これらの症状が異常に強い場合や、他の異常な徴候があった時は医師の診察を受けて下さい。接種当日の入浴は差し支えありません。接種部位は清潔に保つように注意して下さい。必要以上に注射部位をこすることはやめましょう。

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