麻疹(はしか)の予防接種

麻疹とはどのような病気なのでしょうか。

 麻疹は、ウィルスによって起こる感染症です。発熱、咳、目やにが数日続いた後に、全身に赤い発疹が出る病気です。ほとんど全ての成人は、小児期に罹患した事で、免疫を獲得しています。また乳児はお母さんのお腹の中にいた時に、胎盤を通して免疫の働きをする抗体をもらっているため、生後3ヶ月は麻疹にかかりません。お母さんからもらった抗体のなくなる時期は、おおよそ6ヶ月位ですが、個人差があり人によっては1年位まで残ることがあります。この抗体が残っていますと、麻疹の生ワクチンは無効になります。その為、麻疹予防接種の接種時期は1才以降となります。

麻疹予防接種の接種時期はいつでしょうか

 生後12ヶ月から24ヶ月までが対象となります。12ヶ月から90ヶ月までが定期予防接種となり無料ですが、それ以外の時期に接種すると任意接種となり有料となります。麻疹の患者さんと接触した場合、3日以内に予防注射を受けると、予防接種が有効とされています。また川崎病等でガンマグロブリンを投与された場合、投与後6ヶ月以内の接種は、ガンマグロブリンの影響で十分な免疫が得られないことがあります。

予防接種が受けられないのはどのような場合でしょうか

 明らかな発熱(37.5℃以上)、または急性疾患にかっかている人、予防接種の接種液の成分(ゼラチン等)に対してアレルギー症状を起こしたことがある人、妊娠している人、免疫不全症と診断されている人です。これらの人は病気が治ってから、またはアレルギー等の検査を行ってから接種することになります。また心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、神経系疾患のある人の接種は要注意とされています。しかしこのような慢性の基礎疾患のある人が、麻疹にかかると状態が悪くなるこから、このような患者さんこそ予防接種が必要ともいえます。患者さんの状態をよく知っているかかりつけの病院または医師に相談し、健康状態の良い時に接種するようにしましょう。

どのような副反応があるのでしょうか。

 接種後は接種部位は揉まないで下さい。接種部位の疼痛は数日で消えます。麻疹の予防接種は生ワクチンを使うため、軽い麻疹の症状が出ることがあります。接種後7日目から14日目、多くは11日前後に出ます。接種した当日発熱する事はありません。副反応で最も多いのは発熱です。多くは1日程度で解熱します。また赤い発疹も一時的に見られることがあります。発熱、発疹だけでしたら1日程度様子を見て下さい。症状がひどいようでしたら、医師に見せて下さい。接種直後にアレルギー反応が起こり、全身に蕁麻疹が出たり、むくんだりする事があります。接種後20分は病院を出ないようにしましょう。接種当日の入浴は差し支えありません。接種部位は清潔に保つように注意して下さい。必要以上に注射部位をこすることはやめましょう。

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